カンクンでダイビング −海底美術館「MUSA」がおもしろい!
- 2019.12.18
- メキシコ/Mexico
メキシコのリゾート・カンクンは、キラキラと陽光を反射する碧い海が水平線の向こうまで続く、カリブ海の楽園。透明度が高く、半端ない美しさを誇るカンクンの海は、世界中のダイバーの憧れにもなっている。
そんなカンクンで人気のダイビングスポットの一つが、「MUSA」という海底に広がるアート群。そのユニークで神秘的な光景は話題を呼び、ダイビングでしか見ることのできない絶景を求めて多くのダイバーが訪れる。拠点の港から船で約30分と、気軽に訪れることがきるMUSAの魅力を紹介する。
海底美術館ってどういうこと?
年間約600万人もの観光客が訪れるカンクンでは、サンゴの破壊が深刻な問題になっている。そこでサンゴ礁の保護を目的として、イギリス人芸術家ジェイソン・カイリース・テイラー氏が石像を制作し、カンクンの沖合に沈めたのが海底美術館「MUSA」。
2010年にオープンした海底8〜10メートルに位置するこの美術館には、実に473体もの彫刻が設置されている。ここに人を集めることで周辺のサンゴ礁に休息を与えるとともに、彫刻自体にサンゴが付着することによる環境への寄与も計算されているのだ。
設置された石像に使われているのは、環境に優しい素材。サンゴはもちろん海藻なども付着して育ち、月日が経つにつれて作品群は刻々と色を変え、形を変えていく。オープン当初のままの姿をとどめることなく、変化し続けている。さらには魚たちの住処にもなり、今や海の生き物の楽園と化した神秘的な光景が広がっているのだ。
作品群は、ほとんどのものが人物像。輪のように円形に連なる人々や地中に頭を埋めてうずくまる人々、ソファに座りテレビを観てくつろぐ男性など、実にユニークな彫刻がそこかしこに立っている。時には、背中から空気を吹き込むと口から泡の粒が出てくる仕組みの石像も。一体これらの作品は何を表現しているのか、見れば見るほど不思議な気持ちになってくる。
周辺には色とりどりの熱帯魚が棲みついており、多種多様な魚の群れを見ることができる。カリブ海の固有種もたくさんおり、人懐っこい魚ばかりなので間近で楽しめるのが魅力だ。
MUSAが見られるダイビングツアー
MUSAを見るためにはダイビングツアーに申し込む必要がある。基本的に午前か午後のどちらかを選び、ボートでダイビングポイントまで行って2ダイブ行う。ダイビングのライセンスを持っている場合はもちろん、ライセンスを持っていなくても体験ダイビングでMUSAまで行くことが可能。
12〜4月、7・8月はハイシーズンなので、旅行の日程が決まったらあらかじめツアーに申し込んでおくのがおすすめ。オフシーズンであれば、現地に着いてから申し込んでも問題ない。申し込みはホテルのツアーデスクでできるほか、ダウンタウンにもツアーデスクが多く点在している。
ツアー会社は多数あるが、日本語のガイドがついてくれるツアーを選ぼう。ダイビング前の説明からダイビング中のケアまで、きめ細かいサポートをしてくれるので心強い。英語が堪能な人なら問題ないが、少しでも不安があるのであれば日本語が通じるガイドだと安心感が全然違う。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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