カリフォルニア州トーランスで過ごすクリスマス
- 2019.12.26
- Life -アメリカ生活 日々のぼやき-
日本では、クリスマスといえば恋人同士のイベントというイメージがある。しかし海外に出ると、認識はがらりと変わる。
ここアメリカでは、クリスマスは恋人たちの行事ではない。家族や親戚が集まり、ローストビーフやマッシュドポテトなどといったクリスマス料理を食べながらゆっくりするのがお決まりの過ごし方だ。
11月のサンクスギビングが終わると、町は一気にホリデーシーズンモードに突入する。ホリデーシーズンとは、クリスマスから年末年始にかけての期間のことだ。この時期になると、アメリカに住む人々は実家や故郷に帰って1〜2週間の休暇に入る。
私は、このホリデーシーズンのアメリカの町が好きだ。モールやレストラン、カフェ、ガソリンスタンドまでクリスマス仕様に装飾され、どことなく人々はウキウキとして見える。皆がプレゼントを買うためにお店はどこも賑やかで、どこへ行っても混み合っている。
アメリカではクリスマスツリーに本物のモミの木を飾る家庭も多い。ホリデーシーズンが近づくと、町なかのあちらこちらでモミの生木を売るテントがどこからともなく現れる。大小さまざまな生木がディスプレイされ、人々はそれを買って帰って装飾する。クリスマスツリー農場というものもある。そこへ行けば好きなツリーを選んで、斧でみずからツリーを伐ることができるのだ。なんとも素敵だと思う。
町が賑やかなのは、クリスマスイブの24日まで。25日の当日には一転して、町は静まり返る。皆、それぞれの家で大切な人たちとゆったりと過ごすのだ。
そんななか、特に一緒に過ごす家族がいるわけでもない私は、25日当日にやることがない。家でボーッとしているのも何なので、午前中に映画館で映画を観ることにした。映画館には思ったよりも人がいて驚いたが、映画館が入っているモール自体は休業のようで、どこの店も閉まっていた。
映画に満足し、そのまま帰るのもなぁと思ったので、どこか開いているお店でショッピングでもしようかとGoogle Mapを開いた。ところが、みごとにどのお店も閉店である。当たり前だ。世間の皆さまが家族と集まってクリスマスを家で過ごしているという今日この日に、わざわざ店をオープンしても来客は見込めないだろう。
とりあえず日系スーパーマーケットは空いているようだったので、買い物をして帰ろうと思った。スーパーに着くと、打って変わっての賑わいっぷりに驚いた。町は人っ子一人見当たらず静けさに包まれているというのに、この町にまだこんなに人がいたのか、と思うほどたくさんの人々で溢れていた。
帰り道に日系のケーキ屋にも立ち寄ったが、当たり前のようにオープンしていた。日本ではクリスマスは祝日ではないので、これが当たり前と言ったらそうなのだが、あまりのギャップに何だかおもしろさを感じてしまった。
アメリカのホリデーシーズンのハイライトは、やはりクリスマスだ。クリスマスが過ぎれば町は通常運転に戻る。ニューイヤーズデーもめでたくはあるが、日本や中国のように盛大に祝うことはしない。1月1日の元旦が終われば、2日からは会社も通常営業となる。
文化の違いというのは実におもしろい。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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