クリスマス前の町の雰囲気が結構好き
- 2021.12.10
- Life -アメリカ生活 日々のぼやき-
クリスマス前になると町なかに漂うアメリカの空気が好きだ。
クリスマスはアメリカ国民にとって、1年間でもっとも盛り上がる一大イベント。普段は遠くに住んでいたとしても、クリスマスには一家が全員集まる。久々の再会にお互い喜びを共有しながら、クリスマスらしい伝統的な料理を食べたりみんなでリビングに集まってプレゼントの開封タイムを楽しんだりする。
アメリカに住んでいると、11月に入ってから年越しまでの時間の経過は瞬息のように感じる。
それもそのはず。10月31日のハロウィンが終わり、翌日起きて町に出てみると、一夜にして町なかはクリスマスのデコレーションへと様変わりしているのだ。ショッピングモールのエントランスにはリースやら真っ赤なオーナメントやらが飾りつけられ、スターバックスの内装やカップのデザインもクリスマス仕様に一変し、テレビCMではクリスマスプレゼントを促す広告がこれでもかと流れ始める。
10月31日が終わってもまだ11月1日なのだから、そんなに急いで町の装飾を変えなくても良いのに、と個人的には思うが、そんな私ののんびりした気持ちを取り残して町はクリスマスに向けてまっしぐら。なんだか急かされているような気がしないでもない。
11月末のサンクスギビングのホリデーが終わり、やっと私の気持ちがクリスマスに向き始めた頃。世の人々はクリスマスの準備に大忙しだ。家族や大切な人へのプレゼントをせっせと買い集め、ラッピングの準備をして、クリスマスに向けて食糧の調達に勤しむ。
この時期になると、町なかには本物のモミの木やトウヒの木などを販売するツリーショップも現れる。全米のあちこちにクリスマスツリーを育てるためのツリーファームがあるくらいの大きな産業だ。ショップには小さめのサイズから人の背丈の2倍ほどもあるサイズまで、さまざまなツリーがディスプレイされる。ショップで購入してツリーを車のボンネットに括りつけ、町なかを走る車をそこかしこで目にするのもこの季節の風物詩だ。
一軒家の前庭や外壁、玄関ドアにはリースやサンタクロースの風船、色とりどりのLEDライト、赤・緑・ゴールドなどでデコレーションが施され、どの家のデコレーションが1番目立つかをご近所さん同士で競い合っているかのよう。夜になると家々には鮮やかな明かりが点り、昼のように煌々と輝く家並みが通りの向こうまで続く。
日本ではイルミネーションを見に行く人も多いが、アメリカにもイルミネーションスポットはたくさんある。教会やショッピングモールでイルミネーションやプロジェクションマッピングを行っているところもあるし、町の一区画の住人たちがすべて自費で鑑賞用に我が家を豪華にライトアップしているところもある。そういう町にはこの季節になると夜に各方面から多くの訪問客が車で訪れ、ドライブスルーのように車の中から家々のイルミネーションを見て回る。混雑時になるとその区画のすべての通りが車で長蛇の列になるほどだ。イルミネーションのドライブスルーというのは、アメリカならではの感じがする。
12月に入ると目に映るすべての人たちがなんだか慌ただしいように見えるが、それでいて明るくワクワクした空気も流れており、決して嫌な感じはしない。むしろ1年間待ちわびた一大行事を目前にし、楽しくて幸せな雰囲気すら漂っている。
この世間に漂う何ともいえない幸せな空気が好きだ。
クリスマスはこどもたちだけではなく、大人たちもワクワクさせるイベントなんだなあ、としみじみ思う。
ちなみに私はアメリカに移住してからというもの、クリスマスとお正月は毎年オハイオ州で過ごしている。というのも、20年ほど前にホームステイをさせてもらったホストファミリーがオハイオ州に住んでいるからだ。
この20年の間、まったく連絡を取らない期間も長くあったのだが、なんだかんだでアメリカに来るたびに連絡をしており、今もその関係が続いている。当時、中学生だった私はまさか20年後も彼らと繋がっているなんて想像もしていなかった。これもすべて運の巡り合わせというものなのだろうか。
ホストファミリーの家族構成は、お父さん、お母さん、姉、妹の4人。姉妹はそれぞれ私の2歳上と2歳下で歳も近い。ちなみに長女は2度の離婚を経験して現在は一人息子のシングルマザーとなっており、次女は4年ほど前に結婚して現在は1歳の息子がいる。さらに、ご両親の家には犬が2匹、長女の家にはミニブタ1匹とネコ1匹、次女の家には犬が1匹。
長女の家のミニブタがとにかくかわいい。体長30センチくらいの大きさでフガフガ言いながら家の中をちょろちょろと歩き回っており、嫌なことをされると断末魔のような悲鳴を上げる。ブランケットに包んで膝の上に置いておくと、気持ちよさそうにすやすやと眠り込んでしまったり、とにかく愛くるしい。コロナで昨年のクリスマスはオハイオに行けなかったので、今年は2年ぶりの再会だ。かわいかったミニブタがただのブタになっていやしないか、今から少し不安を感じている。
話がズレてしまったが、2021年のクリスマス。
コロナの状況は依然として続いているが、楽しいクリスマスになることは間違いないだろう。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
-
前の記事
アメリカで運転中にまさかのガス欠になった 2021.12.06
-
次の記事
世界級のパワースポット、セドナで運気をアップ! 2021.12.14