一生に一度は行きたい!
イエローストーン国立公園
- 2018.08.01
- ワイオミング/Myoming
アメリカの西部、ワイオミング州を中心にアイダホ・モンタナ州まで広がるイエローストーン国立公園は、手つかずの自然を体験できる人気の観光スポット。ここは、その類を見ない自然美によって世界で初めて国立公園に制定された場所であり、また、1978年に世界で初めて登録された12の世界遺産の一つでもある。さまざまな表情を見せる山野や渓谷、豊富な水、あちこちで湧き出る温泉……豊かな自然に育まれてきたイエローストーンの見どころとは?
あらゆる生き物の王国
火山地帯に位置するこの公園の広さはおよそ222万エーカーで、アメリカ国内では最大規模。その敷地の80%は森林、15%は草原、5%は水に覆われている。約340平方キロの大きなイエローストーン湖や、公園を縦断するイエローストーン川、そして大小約290もの滝と、豊富な水を有するこの公園は、植物も動物も鳥類も、そして昆虫類も、あらゆる生き物にとっての楽園だ。
公園内では起伏に富んだ荘厳な景観美、アメリカ開拓期以前の動植物層を残す手つかずの自然など、ほかでは見られない貴重な自然の姿を見ることができる。原始の地球の姿や生態系の進化の過程を示す顕著な見本として、大切に保護されてきた生き物の聖地なのだ。
間欠泉の宝庫
イエローストーンの大きな特徴は、無数の間欠泉や温泉などの熱水現象が見られること。ここには500以上の間欠泉があり、その数はなんと世界の半数以上を占めているのだそうだ。
園内でもっとも人気なのが、オールドフェイスフル間欠泉で見られる熱水の噴出。地上に空いた穴から天を裂くような勢いで吹き上がる熱水は圧巻。その噴水の柱は30〜50メートルほどの高さにまで上がり、その光景は1分半〜5分間ほど続く。この迫力のある熱水のショーは1〜2時間おきに定期的に発生しており、噴出予想時刻はビジターセンターで教えてもらえるのでチェックしておこう。
園内最大の熱水泉グランド・プリズマティック・スプリングも必見。イエローストーンといえば、このカラフルな温泉をイメージする人も多いだろう。直径約113メートル、深さ35メートル以上ある熱水泉は、濃い碧を中心にエメラルド、黄、オレンジと、外側に向かって鮮やかな美しいレインボーカラーが広がる。
この熱水泉、真横を通る舗装道路から見ることができるのだが、あまりにも大きいので横から見ても全容をつかむことができない。おすすめなのは、上から見ること。フェアリーフォール・トレイルというハイキングルートをしばらく進むと、標高の高い位置から色鮮やかな熱水泉を一望できるので、時間があればぜひ訪れていただきたい。
このほかにも、白い石灰段丘のようになった温泉が見られるマンモス・ホットスプリングスや、コポコポと泥が吹き上がるマッド・ボルケーノなど、間欠泉の見どころは園内のあちこちに点在している。それぞれ特徴が異なっているので、いろいろめぐってみよう。
生き物の王国で動物観察
イエローストーンのもう一つの魅力は、野生動物。ここには67種の哺乳類と285種の鳥類をはじめ、多数の魚類や両生類、爬虫類が生息している。ここを訪れれば必ず一度は動物に出会えると約束してもいいくらい、そこかしこで見ることができるのが嬉しいところ。
野生動物をじっくり観察したいなら、公園北西に広がる平原レイマー・バレーがおすすめ。あちこちで草を食むバイソンの群れはもちろん、エルクやムース、ブラックベア、コヨーテなど、さまざまな動物が暮らすこの公園はまさに生き物の王国だ。ありのままの生活を送る彼らの姿には、日常を忘れてしまうほど。
イエローストーンでは野生動物たちとの距離が厳密に定められており、必要以上に近づくことは許されていない。彼らの姿をしっかりと観察したいなら、ぜひ望遠鏡を持参していただきたい。人だかりができている所には近くに生物がいる証拠なので、注意深く周囲を観察してみよう。
アクティビティも豊富
イエローストーンではハイキングやキャンプのほか、サイクリングやボート、釣り、乗馬、冬にはスキーやスノーモービルなども楽しめる。また、園内を知り尽くしたレンジャーが案内してくれるプログラムも。イエローストーン国立公園の魅力を知り尽くすなら、3〜4日ほど滞在するのがおすすめだ。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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